アメリカンオプティカルの偽物判別!現行品との違いと注意点

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アメリカンオプティカルの偽物判別!現行品との違いと注意点

こんにちは。メガネコンパス、運営者の「Syo66」です。

最近、フリマアプリやオークションサイトをパトロールしていると、アメリカンオプティカル(American Optical、以下AO)の偽物と思われる商品が驚くほど多く出回っている状況を目の当たりにします。

「憧れのヴィンテージフレームを安く手に入れたい!」という気持ち、私自身もメガネ好きとして痛いほどよく分かります。しかし、届いた箱を開けた瞬間に「あれ、なんか違う…」と落胆する経験だけは、読者の皆さんにはしてほしくないんです。

特にAOの場合、190年近い歴史の中で経営母体が変わったり、製造拠点が移動したりしているため、仕様変更が非常に複雑です。

「刻印が違うから偽物だ」と思ったら実は現行の正規品だったり、逆に「ヴィンテージ」と書かれているのに真っ赤な偽物だったりと、情報の迷路に迷い込んでしまいがちなんですよね。

今回は、そんなアメリカンオプティカルの偽物に関するモヤモヤを解消し、自信を持って「本物」を選べるようになるためのディープな情報をお届けします。

この記事でわかること

  • 現行品とヴィンテージにおける刻印仕様の決定的な違いと歴史的背景
  • 人気モデル「オリジナルパイロット」や「サラトガ」の真贋を見分ける微細なポイント
  • 誤解されがちなPentaxコラボや安全メガネ(セーフティーグラス)の真実
  • ネット購入で失敗しないための悪質出品者の見抜き方と自己防衛術

アメリカンオプティカルの偽物と特徴の判別法

アメリカンオプティカルは1833年の創業以来、現存する世界最古の眼鏡メーカーとして君臨していますが、その長い歴史は「変化の歴史」でもあります。

この「変化」こそが、真贋判定を難しくしている最大の要因です。ここでは、各年代やモデルごとの特徴を深く掘り下げて、偽物を見分けるための解像度を一気に高めていきましょう。

現行品のプリント刻印と旧来の打刻

AOファンの間で最もホットな議論となり、かつ誤解を生みやすいのが「テンプルの刻印」問題です。

フリマサイトの質問欄などで「刻印がプリントみたいですが、偽物ですか?」というやり取りを見かけることがありますが、結論から言うと、

「プリント刻印だからといって偽物とは限らない」

というのが正解です。むしろ、現在のAOにおいてはプリントこそが正規の証なのです。

少し歴史を振り返ってみましょう。

かつて「AOの聖地」と呼ばれたマサチューセッツ州サウスブリッジ工場で製造されていた時代のヴィンテージモデル(主に20世紀中盤〜後半)は、金属製テンプルに「AO American Optical」といった文字が深く打ち込まれた「打刻(スタンプ)」が採用されていました。

この打刻特有の金属が凹んだ質感、そしてそこに溜まる経年の汚れすらもがヴィンテージの味わいとして評価されています。

しかし、時計の針を進めて2020年。アメリカのEuropa Eyewear社がAOを買収し、イリノイ州の新工場でブランドをリローンチ(再始動)しました。

この新生AOでは、製造プロセスが現代化され、テンプルの内側には「American Optical」や「Original Pilot」といった文字が、鮮明な白文字のシルクスクリーンプリントで施される仕様に変更されたのです。

時代区分 製造拠点 刻印の仕様 特徴・真贋のポイント
ヴィンテージ
(主に20世紀中盤〜後半)
マサチューセッツ州
サウスブリッジ工場
(AOの聖地)
打刻 (スタンプ)
  • 金属に深く文字が打ち込まれている。
  • 凹みの質感や、経年の汚れが「味わい」として評価される。
現行モデル
(2020年〜現在)
イリノイ州 新工場
(Europa Eyewear社買収後)
プリント
(シルクスクリーン)
  • 鮮明な白文字でプリントされている。
  • 「プリント=偽物」は間違い。
  • プリントこそが現在の正規新品の証。
なぜ仕様が変わったの?
現代の製造技術において、プリント(パッド印刷など)は品質管理の観点から非常に合理的です。微細な文字情報を正確に記載できるため、CEマークやサイズ表記などをクリアに表示するために採用されています。

つまり、「2020年以降に製造された現行の正規品」はプリント刻印が標準仕様なのです。これを「ヴィンテージの知識」だけで判断して「プリントだから偽物だ」と決めつけてしまうのは早計です。逆に注意すべきは、「新品未使用」や「最新モデル」と謳っているにもかかわらず、文字が歪んだ粗雑な打刻がある場合です。これは、古い金型を使い回したコピー品である可能性が高いため、より一層の警戒が必要です。

オリジナルパイロットのテンプル仕様

アポロ11号の月面着陸にも同行し、映画『トップガン』などのスクリーンでもその存在感を見せつけた傑作、「Original Pilot(オリジナルパイロット)」。

AOのフラッグシップモデルであるだけに、市場には残念ながら多くの模倣品が溢れています。このモデルの真贋を見極めるには、パイロットのために考え抜かれた機能美を理解する必要があります。

最大の特徴は、なんといっても「バヨネットテンプル(Bayonet Temple)」です。

チェック項目 正規品 (本物) 偽物 (粗悪なコピー品)
テンプルの形状
(バヨネット)
頭部に沿う絶妙なカーブ
先端に向かって内側にカーブしており、肌当たりも滑らか。
【結果】長時間着用しても痛くなりにくい。
単純な直線(棒状)
金属板を切り出しただけで、角が尖っていることが多い。
【結果】こめかみに食い込み、頭痛の原因になる。
仕上げ・接合部
(金属とカバー)
引っかかりがなく滑らか
金属芯とプラスチックカバー(モダン)の段差が丁寧に処理されている。
雑でバリがある
接合部に隙間が空いていたり、バリ(突起)が残っていたりする。
レンズのロゴ
(左レンズ上部)
レーザーエッチング
素材自体を削っているため、光にかざすと透かしのように上品に見える。
プリント または 粗悪な彫り
白い塗料で描かれているか、彫りが深すぎて指で触るとザラザラする。

これは、パイロットがヘルメットを装着した状態でも、こめかみの隙間にスッと差し込めるように設計された、耳に掛けないストレート形状のテンプルです。

本物のバヨネットテンプルをよく観察すると、単なる真っ直ぐな棒ではありません。先端に向かって、頭部の丸みに沿うように内側へ絶妙なカーブを描いており、さらに先端部分は肌への当たりを優しくするために滑らかに加工されています。

この設計により、挟み込むタイプでありながら長時間着用しても痛くなりにくいのです。

対して、安価な偽物や粗悪なコピー品はどうでしょうか。

多くの場合、テンプルは単純な直線で、金属の板を切り出しただけのような作りになっています。これを装着すると、テンプルの角がこめかみに食い込み、短時間で頭痛の原因になることも。また、金属芯を覆うプラスチックカバー(モダン)と金属部分の接合部(段差)にも注目してください。

正規品は指で撫でても引っかかりがないほど滑らかですが、偽物はここにバリが残っていたり、隙間が空いていたりと、仕上げが雑なケースが目立ちます。

さらに、レンズにも秘密があります。

現行の正規品には、左レンズ(向かって右)の左上隅に「AO」のロゴがレーザーエッチングで刻まれています。

これは表面にインクが乗っているのではなく、レンズの素材自体を削っているため、光にかざすと透かしのように上品に見えます。偽物はここが白い塗料のプリントだったり、エッチングの彫りが深すぎて指で触るとザラザラしていたりと、違和感があるはずです。

素材の音を聞き分けよう
オリジナルパイロットの多くのモデルは「SkyMaster Glass」などのガラスレンズを採用しています。爪で軽くレンズを叩いてみてください。「チン」という硬く高い音がすればガラス(本物の可能性大)、鈍い「カチ」という音がすればプラスチック(偽物の疑いあり)です。

サラトガの飾り鋲とヒンジの構造

ジョン・F・ケネディ大統領がプライベートで愛用し、その優雅なスタイルから伝説となったサングラス「Saratoga(サラトガ)」

サラトガ (JFKモデル) 真贋比較表
チェック項目 正規品 (本物) 偽物 (安価なコピー品)
ダイヤ鋲 (飾り)
(Diamond Rivets)
機能部品として貫通している
ヒンジを固定するための「カシメ」として機能しており、アセテート生地を貫通している。
単なる装飾(飾り)
金属風のシールを貼っているか、接着剤で埋め込んでいるだけ。
ヒンジ (蝶番)
(裏側の構造)
表の飾りと位置が一致
表側のダイヤ鋲と裏側のヒンジ固定位置が完全にリンクしている。
位置ズレ・埋め込み
表の飾りと位置が合っていない、またはヒンジがプラスチックにただ埋め込まれている。
素材・質感
(Material)
アセテート削り出し
職人が磨き上げ(ポリッシュ)ているため、濡れたような深い艶と、しっとりした質感がある。
インジェクション成形 (樹脂)
ビニールのような安っぽい光沢。
フレームの端に「パーティングライン(成形の継ぎ目)」が見えることが多い。

一見するとレイバンのウェイファーラーに似ていますが、ディテールにはAOならではのこだわりが詰まっています。

このモデルに関しては、特に「飾り」と「構造」のリンクに注目することで、

偽物を高確率で見抜くことができます。

サラトガのアイデンティティとも言えるのが、フロントとテンプルに配置された菱形の「ダイヤ鋲(Diamond Rivets)」です。

ここで重要なのは、このリベットが単なる装飾ではないという点です。本物のサラトガ(ヴィンテージおよび忠実な復刻版)において、このダイヤ鋲は、フレームとテンプルを繋ぐ「ヒンジ(蝶番)」を固定するための機能部品として、アセテート生地を貫通してカシメられています。

偽物や安価な「サラトガ風」サングラスの多くは、このダイヤ鋲を再現するために、プラスチックの表面に金属風のシールを貼ったり、接着剤で飾りを埋め込んだりしているだけです。フレームを裏返してヒンジ部分を見てみてください。

もし、表側のダイヤ鋲の位置と、裏側のヒンジの固定位置が一致していなかったり、ヒンジがただ埋め込まれているだけだったりする場合、それは間違いなく偽物、あるいはただの「似ている商品」です。

また、素材である「アセテート」の質感も大きな判断材料です。

本物のサラトガは、高品質なアセテートの板から削り出し、熟練の職人が時間をかけて磨き上げる(ポリッシュする)ことで、濡れたような深い艶を放ちます。指に吸い付くようなしっとりとした質感があります。

一方、大量生産された偽物は、金型に溶けた樹脂を流し込む「インジェクション成形」で作られることが多く、表面にビニールのような安っぽい光沢があったり、フレームの端に成形時の継ぎ目(パーティングライン)が見えたりします。

本物には、大量生産品には出せない「オーラ」と「匂い」があると言っても過言ではありません。

セーフティーグラスとPentaxの関係

ここ数年、古着市場やSNSを中心に爆発的な人気を誇っているのが、AOの「Safety Glasses(安全メガネ)」です。

AO Safety Glasses ダブルネームの真実
よくある疑問
(The Confusion)
「AOのフレームなのにPentaxのロゴが入っている?」
「AO Safetyなのに3Mの箱に入っている?」
→ これらは偽物ではないか?という混乱
結論
(Conclusion)
偽物ではなく、正規の製品です。
歴史的背景に基づいた「ダブルネーム品」であり、真正なヴィンテージです。
歴史的背景
(History)
AOの「安全保護具部門」が時代の流れと共に売却・譲渡された経緯があります。

AO (American Optical)

3M社 傘下へ

HOYAグループ (Pentax) へ譲渡
製品の実態
(Reality)
「金型はAO、ロゴはPentax/3M」
過渡期に製造されたため、AOの金型や設計をそのまま使用しつつ、販売ブランドのロゴが冠されました。
(例:モデル「F9800」は、Pentaxロゴでも中身はAOの名作フレームそのものです)

サイドシールドが付いた無骨なデザインが現代のファッションにマッチしていますが、ここで多くの人が混乱するのが、「AOのフレームなのにPentaxのロゴが入っている」「AO Safetyと書いてあるのに3Mの箱に入っている」といったダブルネームの存在です。

結論から申し上げますと、これらは「偽物ではなく、歴史的背景に基づいた正規の製品」です。これを理解するには、AOの産業保護具部門の変遷を知る必要があります。

AOは長い歴史の中で、多角化経営の一環として安全保護具部門を持っていましたが、時代の流れと共にこの部門は売却されました。

まず「3M社」の傘下に入り、その後、Pentax(ペンタックス)ブランドを持つ「HOYAグループ」へと譲渡されたという経緯があります。

この過渡期に製造された製品は、金型はAOのものを使用しながら、販売ルートやブランド戦略として「Pentax」や「3M」のロゴが冠されることになりました。

特に「F9800」というモデルは、AOの名作フレームの設計をそのまま受け継いでおり、Pentaxロゴが入っていても中身はAOそのものと言える兄弟モデルなのです。

ファッション用ではありません
これらは本来、鉄工所や化学工場で働く作業員の目を守るための「PPE(個人用保護具)」です。そのため、ヴィンテージとして出回っている個体の中には、レンズに鉄粉が焼き付いていたり、フレームが薬品で変色していたりと、過酷な現場を生き抜いてきた痕跡があるものも少なくありません。

また、サイズ感にも注意が必要です。これらはあくまでアメリカ人の労働者向けに設計されているため、日本人にとってはテンプルが長すぎたり、ノーズ幅が広すぎてズレ落ちやすかったりすることが多々あります。「流行っているから」という理由だけでネットで購入すると、サイズが合わずに掛けられないという悲劇が起こりやすいアイテムでもあります。偽物ではありませんが、「道具としての背景」を理解して購入すべきアイテムと言えるでしょう。

ヴィンテージ特有の12KGF金張り

ヴィンテージのメタルフレーム、特に1950年代〜70年代頃のAO製品を探していると、「1/10 12KGF」という刻印に出会うことがあります。

これは「One-tenth 12 Karat Gold Filled」の略で、「製品総重量の10分の1に、12金(純金含有量50%の金合金)が使われている金張り」であることを意味しています。

この「Gold Filled(金張り)」は、現代の一般的なメッキ(Gold Plated)とは全く異なる技術です。メッキが電気的に極薄の金属膜を付着させるのに対し、金張りは金の板を熱と圧力でベースメタル(真鍮などの合金)に物理的に圧着させます。

その厚みはメッキの数十倍から百倍近くにもなり、日常使用で摩耗して剥がれることはまずありません。

真贋判定において、この「12KGF」の刻印は非常に強力な手掛かりになります。

もし、ヴィンテージショップやネットオークションで「12KGF」と謳われているフレームを見つけたら、まずノーズパッドのクリングス(足)やテンプルの内側など、肌に触れて腐食しやすい部分をチェックしてください。

本物の金張りであれば、数十年経過していても金色の輝きを保っているか、汚れていても磨けば輝きが復活します。

もし腐食している場合でも、発生するのは「緑青(ろくしょう)」と呼ばれる緑色の錆です。

しかし、もし金色の層がペリペリと剥がれていたり、下地から「赤茶色の錆」や「黒ずんだ卑金属」が露出していたりする場合、それは金張りではなく、安価な金メッキが施された偽物、あるいは低品質なリプロダクションである可能性が極めて高いです。本物の12KGFは、半世紀の時を超えても朽ちない「素材の力」を持っています。

ヴィンテージAO「12KGF (金張り)」真贋判別表
※1/10 12KGF = 製品総重量の1/10に12金を使用し、熱で圧着した高級仕様
比較項目 本物 (ヴィンテージ 12KGF) 偽物 (安価な金メッキ)
構造・厚み 金の板を熱と圧力で圧着
メッキの数十倍〜百倍の厚みがあり、「素材の力」が違う。
電気的に薄い膜を付着
極めて薄いため、日常使用ですぐに消耗する。
剥がれ方
(クリングス等)
ほぼ剥がれない
物理的に圧着されているため、日常使用で地金が出ることは稀。
ペリペリと剥がれる
金色の層が浮いたり、剥がれ落ちたりして下地が露出する。
腐食・錆の色
(決定的な違い)
緑青 (緑色の錆)
腐食しても緑色の錆が出る程度で、磨けば輝きが復活する。
赤茶色の錆 / 黒ずみ
下地の卑金属が露出し、赤茶色に錆びる。修復は不可能。

アメリカンオプティカルの偽物を避ける購入術

ここまで製品自体の特徴を見てきましたが、ネット通販全盛の現代においては、現物を手に取って確認できないケースがほとんどです。画面越しの画像と説明文だけで、いかに地雷(偽物)を避けるか。ここからは、販売者(セラー)の心理や行動パターンを分析し、アメリカンオプティカルの偽物を掴まされないための実践的な購入術を伝授します。

メルカリに潜む悪質な出品者の特徴

メルカリ、ヤフオク、eBayなどの二次流通プラットフォームは、掘り出し物が見つかる宝の山であると同時に、偽物が跋扈する危険地帯でもあります。

悪質な出品者は、巧みな言葉遣いで購入者を安心させようとしたり、逆に責任を逃れようとしたりします。彼らの典型的なプロファイリングを行ってみましょう。

まず警戒すべきは、商品説明文に使われる特定のキーワードです。

「並行輸入品」「海外ノベルティ」「インポート品」といった言葉には要注意です。

正規のルートを通っていないことを示唆しつつ、「だから仕様が違っても(偽物でも)仕方ないでしょ」という言い訳を含ませています。また、「いただきものですので詳細は分かりません」と無知を装うパターンも常套手段です。本当に価値を知らない素人の場合もありますが、多くの場合は「質問攻めにされるのを避けるため」や「偽物とバレた時の言い逃れのため」の演技です。

次に、画像のクオリティです。

手元に商品があるはずなのに、公式サイトのきれいな画像しか載せていなかったり、実物の写真があってもピントが合っていなかったりする場合、そこには「見せたくない不都合な真実」が隠されています。特に、ロゴ部分、ヒンジ(蝶番)、ノーズパッドのアップ画像を頑なに見せない出品者は、刻印の粗悪さや作りの雑さを隠蔽している可能性が高いです。

そして、決定的なのが「大量出品」です。

例えば、「1960年代のヴィンテージAO」が、サイズ違い(48, 50, 52など)でズラリと出品されている状況を想像してください。半世紀前のデッドストックが、個人の手元にそんな都合よくサイズ揃いで大量にあるはずがありません。これは、現在進行形でどこかの工場で作られているコピー品を仕入れて販売している証拠です。「ヴィンテージなのに在庫が無尽蔵にある」、これは最大の矛盾であり、偽物の証明でもあります。

ネット購入時の「悪質出品者」見極めチェック表
チェック項目 具体的な警告サイン (NG行動) 隠された意図・リスク
商品説明文
(キーワード)
  • 「並行輸入品」「海外ノベルティ」「インポート品」
  • 「いただきもので詳細は分かりません」
偽物の言い訳と責任逃れ
「正規ルートではないから仕様が違う(偽物でも仕方ない)」という予防線や、質問攻め回避のための演技。
画像の品質
(隠蔽工作)
  • 公式サイトの転載画像のみ
  • 実物写真がピンボケしている
  • ロゴ・ヒンジ・ノーズパッドのアップ画像がない
不都合な真実の隠蔽
刻印の粗悪さや、作りの雑さ(バリや隙間)を見せないための意図的な画角調整。
出品状況
(在庫の矛盾)
  • 「ヴィンテージ」なのにサイズ違い(48, 50, 52)でズラリと出品されている
  • 同じ商品が無限に出品され続ける
最大の偽物証明
半世紀前のデッドストックがサイズ揃いで大量にあるのは不自然。現在製造されているコピー品の証拠。
⚠️ 特に注意すべきポイント

ヴィンテージ品において「在庫が無尽蔵にある(サイズが選べる)」という状況は、物理的にあり得ない最大の矛盾です。
どれだけ説明文がもっともらしくても、この条件に当てはまる出品者は避けるのが賢明です。

 

免責文言を見逃すな
「すり替え防止のため返品は不可」「完璧を求める方は店頭で買ってください」といった強気な文言も、偽物を売った後のトラブルを封じ込めるための予防線であることが多いです。誠実な出品者は、商品の瑕疵(キズや汚れ)も含めて正直に説明し、真摯に対応するものです。

Z87刻印による安全メガネの真贋

先述したセーフティーグラスにおいて、それが「ファッション雑貨」なのか、本物の「安全メガネ」なのかを見分ける唯一にして絶対の基準、それが「Z87」の刻印です。

「ANSI Z87.1」は、米国国家規格協会(ANSI)が定めた、眼や顔面を保護する製品のための厳格な工業規格です。

この認定を受けるには、高速度での衝撃テストや、腐食、発火などのテストをクリアしなければなりません。つまり、フレームやテンプルに「Z87」と刻まれていることは、「これはただのメガネではなく、あなたの目を物理的に守るプロテクターである」という証明なのです。

市場に出回る「AO風」の安価なコピー品には、この刻印がありません。

あるいは、文字だけでZ87とプリントしてあっても、実際の規格を満たしていない粗悪品もあります。本物のZ87適合品を見分けるには、レンズの厚みを確認してください。通常、耐衝撃性を確保するために2mm以上の厚みがあり、素材にはポリカーボネートが使われることが多いため、指で弾いた時の音が硬質です。

ANSI Z87.1 刻印の意味
刻印 名称 性能・意味
Z87 基本衝撃耐性
(Basic Impact)
直径1インチ(約2.54cm)の鋼球を落としてもレンズが割れない強度。日常的な作業での保護能力を有します。
Z87+ 高速度衝撃耐性
(High Velocity Impact)
質量のある物体が高速で衝突しても貫通・破砕しない、より高度な強度。プロ仕様の証であり、レンズにも「+」マークが入ります。
Z87-2 処方箋レンズ対応
(Prescription)
度付きレンズを入れることを前提としたフレーム強度を持つことを示します。

もしあなたが、バイクの運転やDIY、あるいはサバイバルゲームなどで「目を守るギア」としてAOを使いたいのであれば、この「Z87」刻印の有無は命に関わる重要なチェックポイントになります。

逆に、単にファッションとして楽しむ場合でも、本物のZ87規格品が持つ「道具としての剛性」は、所有欲を満たす大きな要素になるはずです。

BJクラシックと復刻モデルの真実

日本国内でアメリカンオプティカルを探していると、必ずと言っていいほど

「BJ Classic Collection(BJクラシックコレクション)」というブランド名に行き当たります。中には「名前が違うけど、これはAOの偽物なの?コピー品なの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。しかし、声を大にして言いたいのは、

BJクラシックこそが「AOの魂を正統に受け継ぐ、日本の兄弟ブランド」であるということです。

BJクラシックを展開する「ブロスジャパン」は、もともとAOの日本総代理店でした。しかし、AO本家が製造拠点をアメリカ国外に移したり、経営方針が変わっていく中で、「古き良きアメリカンオプティカルの品質と哲学を、日本の技術で守り抜きたい」という強い思いから、独自のブランドを立ち上げたというドラマチックな背景があります。

特に注目すべきは、

「SIRMONT(サーモント)」「JAZZ(ジャズ)」といったモデルです。

これらは、単に形を似せたのではありません。ブロスジャパンは、AO全盛期の当時の金型や設計図を正式に受け継いでおり、それを世界最高峰の眼鏡産地である「福井県鯖江」の職人技術で復刻させているのです。しかも、単なる復刻にとどまらず、欧米人向けの骨格設計だったオリジナルを、日本人の鼻の高さや顔の幅に合わせてリサイズ・再設計(リバイバルエディション)しています。

つまり、BJクラシックの製品は「偽物」どころか、

「品質においては当時のヴィンテージAOを凌駕する、現代の傑作」

と評価すべき存在です。「本物のAOロゴ」にこだわるのも一つの道ですが、「AOの哲学とデザインを、日本人の顔で快適に楽しむ」という選択肢として、BJクラシックは間違いなく最高の一本になります。市場で「AOのヴィンテージ」として売られているものの中に、実は初期のブロスジャパン製(AOロゴ入り)が混ざっていることがありますが、これらは非常に希少で価値のあるものです。

真正品を購入するためのチェックリスト

ここまで多くの情報をお伝えしてきましたが、情報量が多すぎて頭がパンクしそう…という方もいるかもしれません。そこで、実際に購入ボタンを押す前、あるいは店舗でお金を払う前に確認すべき項目を、シンプルなチェックリストにまとめました。このリストをクリアできれば、偽物を掴むリスクは9割以上排除できるはずです。

AO購入前の最終チェックリスト

🛒 オンライン・購入前の確認(Yes/No)

  • 価格の妥当性
    相場(現行新品 3〜4万円、ヴィンテージ 2〜5万円)に対して極端に安すぎませんか?
    ※新品で数千円〜1万円程度は論外です。
  • 年代と刻印の整合性
    年代に応じた仕様になっていますか?
    ・現行品(2020年〜):プリント刻印(白文字)
    ・ヴィンテージ:打刻(スタンプ)
  • トップバー/ブリッジの刻印
    「AO USA 55-20」など、適切な刻印が鮮明に確認できますか?
  • 情報開示の姿勢
    出品者は都合の悪い部分(ヒンジの裏側、蝶番の枚数、ノーズパッドなど)を隠さずに公開していますか?

✋ 実物が手元にある場合の五感チェック

  • 聴覚:レンズの音
    レンズを爪で軽く叩いて、硬質な「ガラスの音(チン)」がしますか?
    ※プラスチックの場合は鈍い「カチ」という音がします。
  • 触覚:ヒンジの抵抗感
    テンプルを開閉した際、適度な「重厚な抵抗感」がありますか?スカスカではありませんか?
  • 嗅覚:素材の匂い (ヴィンテージ)
    アセテート特有の「酸っぱいような匂い」がほのかにしますか?

 

特に「安さ」には必ず理由があります。

「工場流出品」「並行輸入のアウトレット」といった甘い言葉に惑わされず、AOというブランドが築き上げてきた品質には、それ相応のコストがかかるということを忘れないでください。信頼できる正規販売店、あるいは知識と技術を持ったヴィンテージアイウェア専門店で購入することが、結果として最も安く、そして長く愛用できる近道です。

また、より確実な情報を得たい場合は、メーカーの公式サイトで現在の仕様を確認することをお勧めします。
(出典:AO Eyewear『American Optical Official Website』)

アメリカンオプティカルの偽物に注意し愛用を

最後までお読みいただき、ありがとうございます。今回は、アメリカンオプティカルの偽物という少しネガティブなテーマから出発しましたが、その過程でAOというブランドが持つ歴史の深さ、製造へのこだわり、そして多くの人々に愛され続けている理由を再確認できたのではないでしょうか。

AOのアイウェアは、単なる視力矯正器具やファッションアイテムの枠を超えています。それは、アポロ計画で月を見上げた人類の夢であり、ケネディ大統領が見つめた激動の時代の証人でもあります。本物のAOを手にするということは、そうした「アメリカの歴史そのもの」を身につけるという特別な体験です。

偽物は、外見を似せることはできても、その背景にある物語や、数十年使える耐久性、所有する喜びまでは決してコピーできません。今回ご紹介した知識が、あなたが市場のノイズに惑わされることなく、運命の「本物」と出会うための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。ぜひ、自信を持って選び抜いた最高の一本と共に。

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